玉藻前の物語あらすじ
- 鳥羽上皇の兄、薄雲王子(正体は九尾の狐)が、右大臣藤原道春の姉娘、桂姫を妻に望み、退けられると、鷲塚金藤次(わしづかきんとうじ)に命じて姫を討たせようとする。
- 道春の妻、萩の方は拾い子の桂姫に義理をたて、妹娘の初花姫を差し出そうとするが、金藤次は桂姫の首を打ち、自分の実の娘だったことを告げ、王子の悪計を白状して死ぬ。
- 進んで犠牲になることを競って双六で勝負する桂姫・初花姫の、萩の方の複雑な母性愛の表現、金藤次の「もどり」(悪から善に立ち返る表現)などが見どころ。
- なお、このあと、参内した初花姫に九尾の狐がのりうつり妖姫玉藻前となって騒動を起こすという展開です。
- 玉藻前のモデルは、鳥羽上皇の皇后美福門院(藤原得子)ともいわれる。
- 摂関家などの名門出身でない彼女が皇后にまで成り上がり、自分の子や猶子を帝位につけるよう画策し中宮待賢門院(藤原璋子)を失脚させ、崇徳上皇や藤原忠実・藤原頼長親子と対立し、保元の乱を引き起こし、更には武家政権樹立のきっかけを作った史実が下敷きになっているという。
- ただし、美福門院が実際にどの程度まで皇位継承に関与していたかについては諸説ある。